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2018年5月15日 (火)

国立科学博物館と山梨大学に対する質問状(2018/05/14)

2018年5月14日

独立行政法人国立科学博物館
館 長 林 良博 様

国立大学法人山梨大学
学 長 島田眞路 様

北大開示文書研究会 共同代表 清水裕二
  殿平善彦
遺骨返還訴訟原告 小川隆吉
コタンの会 神谷広道
平取アイヌ協会員 木村二三夫
コタンの会副代表 山崎良雄
  葛野次雄
コタンの会事務局長 高月 勉
紋別アイヌ協会長 畠山 敏

質 問 状

わたくしたちは明治期から戦後に至るまで、東京大学、京都大学、北海道大学をはじめとした全国の大学などの研究者がアイヌ墓地を発掘し、遺骨と副葬品を持ち去った事実を調査し、大学等に持ち去られたままのアイヌ人骨と副葬品の、発掘地のコタンへの返還を求め、かかる行為を行った関係者、機関の責任と謝罪を求めてきました。

大学等の人類学者などが研究のためなどと称してアイヌ人骨を持ち去ったことはアイヌ民族への植民地主義的な差別と抑圧の産物であり、先住民族であるアイヌが自らの宗教的方法で先祖を祀る信教の自由を奪い、先住権としての自己決定権を奪うものであります。

2007年に採択された「先住民族の権利に関する国連宣言(UNDRIP)」は12条おいて、奪われた遺骨の先住民への返還を求めており、2008年には国会において「アイヌを先住民族とすることを求める決議」が成立したことは周知のことであります。2016年からは遺骨返還訴訟によって持ち去られた遺骨のコタンの墓地への返還が進みつつあります。

2010年から国立科学博物館副館長人類研究部・篠田謙一氏および山梨大学医学部法医学講座教授・安達登氏両氏は札幌医科大学に保管されている115体のアイヌ人骨を利用して、発掘されたコタンの構成員であるアイヌの承諾を得ずにミトコンドリアDNA研究を実施し、その後、その成果を研究論文として公表しています。

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/ajpa.23338

2017年5月16日、私たちは札幌医科大学にその事実関係確認のために質問状を提出し、その後札幌医科大学より回答を得ました。その結果に基づき札幌医科大学に遺骨返還の要望書を提出しております。

2018年1月26日、コタンの会と浦幌アイヌ協会は北海道知事と札幌医科大学を被告として、当該地域のコタンの墓地から持ち去られたアイヌ人骨の返還を求めて札幌地方裁判所に提訴しました。

裁判は進行中ですが、今日に至る中で様々な事実が判明し、篠田氏、安達氏が行ったDNAサンプルの採取と研究活動に関して、看過できないとの思いを持つに至りました。ここに質問状を国立科学博物館および山梨大学あて提出するものであります。両機関におかれましては、早急に事態を精査のうえ、可及的速やかに誠意ある回答をくださるようお願い申し上げます。

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