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2014年7月

2014年7月18日 (金)

政府のアイヌ遺骨返還ガイドラインに異議あり!

「国連宣言」で謳われている先住民族の諸権利を無視した政府のアイヌ民族政策

榎森 進(東北学院大学名誉教授、北大開示文書研究会)

 去る6月13日、政府は、アイヌ文化復興のための場としての「民族共生の象徴となる空間」(象徴空間)を北海道白老町のポロトコタンの地域に創設・設置することを閣議決定したが、その内容は、国立アイヌ文化博物館(仮称)と現在北大等の12大学が保管しているアイヌの遺骨(その大部分は盗掘されたもので、現在迄判明したものは1636体、内個人が特定可能な遺骨23体、他に人数不明の遺骨515箱分)を移管・慰霊するための施設の創設を中心としたアイヌ文化の紹介と新たなアイヌ人骨の研究の場としての「野外博物館的空間」整備に過ぎない。

 「新たなアイヌ人骨の研究の場」と表現したのは、6月2日に開催された「アイヌ政策推進会議」で決定した「個人が特定されたアイヌ遺骨等の返還手続きに関するガイドライン」に「特定遺骨等を返還する意向がある大学」(こうした表現自体が過去の大学の非人道的なアイヌ遺骨の「収集」に対する反省の意思が全くないことを示している)は、「返還を希望する祭祀継承者に返還する」と、返還対象者を民法でいう「祭祀継承者」のみに限定すると同時に、申請者が「祭祀継承者」であることを確認するための手続きを細々と規定しているからである。この「ガイドライン」の内容を検討する限り、個人が特定される23体の遺骨さえ、関係者に返還される保証は全く無い。してみれば、現在12大学で保管しているアイヌ遺骨の大部分は、「象徴空間」内の「慰霊施設」に集約されることになることは火を見るより明らかであろう。

つづきは北大開示文書研究会のニューズレター「コカヌエネ こえをきこう」No.9をどうぞ

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