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2011年6月11日 (土)

日本政府への要請文

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 2011年6月10日に札幌で開催したシンポジウム「さまよえる遺骨たち」の会場で、主催の北大開示文書研究会と、約90人のシンポ参加者たちの総意として、日本政府と北海道大学に対して要請文を承認しました。(写真は、要請文を読み上げる殿平善彦・北大開示文書研究会共同代表)

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わたしたちはアイヌ人骨及び副葬品の発掘と「研究」、および、その後の遺骨と副葬品の取り扱いに関する歴史と現状についての真相を明らかにし、問題の解決を実現するために、日本政府と北海道大学に対し、以下のことを強く要望するものです。

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衆 議 院 議 長 様   
参 議 院 議 長 様
内閣総理大臣  様
最高裁判所長官 様
   
要  請  文
 
かつて明治期より戦後に至る間、北海道大学医学部の故児玉作左衛門教授など、人類学関係者をはじめとした研究者が国策を背景にした学問の権威を主張して北海道内外のアイヌ民族の墓地から多数の人骨をはじめ副葬品を発掘しました。アイヌ人骨に関心を持つ研究者はアイヌ民族を「滅びゆく民族」と位置づけ、その研究が急務であると、アイヌ民族との間に誠実な諒解もないままアイヌ墓地の発掘を続け、1000体を越える遺骨を大学に集め、同時に発掘されたたくさんの副葬品も大学に集められました。しかし、発掘された人骨の歴史的経緯やその後の副葬品の扱いは今日に至るも真相は明らかにされておらず、多くの疑問が残された状態のままです。
小川隆吉エカシは、真相の解明を願って、北海道大学にアイヌ人骨に関わる文書の開示を求め、大学は一定の文書を公開しました。公開された文書を検討してきた北大開示文書研究会は北海道大学に対して発掘された人骨の扱いや副葬品の経過などについて回答期限を付して質問しました。しかし、今日まで、北海道大学から一切の回答を受け取っていません。

この問題は北海道大学のみのものではありません。明治政府の北海道開拓と植民地政策に伴うアイヌ民族へのレイシズムがもたらしたものであり、北大以外の旧帝国大学などにも人骨が収蔵されてきました。アイヌ民族を犠牲とした非人道的な発掘の記憶は、今日も深い傷となって残されたままであり、アイヌ墓地発掘問題に対する誠実な対応と解決への努力は、今日に残された、まさに『国民的な課題』であります。日本政府は政府の責任においてアイヌ人骨問題の歴史的経緯を検証し、その歴史的責任を自覚し解決に努力すべきであります。「共生空間」の整備に伴うアイヌ民族の遺骨を納める慰霊施設を設ける計画に於いても、遺骨を一か所に集めるなどの安易な解決を図ることがあってはなりません。アイヌ民族への遺骨奉還を前提として、すべてのアイヌ民族との誠実かつ慎重な対話を開始すべきです。世界の先住民族への遺骨の返還は国際的にも求められ、実施される動向の中にあります。日本政府の真摯な対応を強く要請します。

2011年6月10日

北大開示文書研究会 共同代表 清水裕二 殿平善彦
シンポジウムさまよえる遺骨たち〜アイヌ墓地“発掘”の現在〜 参加者一同

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写真撮影 平田剛士 2011年6月10日、札幌エルプラザで。

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