« 2011年5月 | トップページ | 2011年7月 »

2011年6月

2011年6月27日 (月)

伊藤昌一氏の論文「北大医学部解剖学教室におけるアイヌの形質人類学的研究」の解題が進んでいます

「北大百年史 通説」(北海道大学編)に収録されている伊藤昌一氏の論文「北大医学部解剖学教室におけるアイヌの形質人類学的研究」を、当研究会と連携する「アイヌ民族情報センター」が解題しています。ぜひご活用ください。

2011年6月14日 (火)

シンポ「さまよえる遺骨たち」資料集を公開しました

2011年6月10日開催のシンポジウム「さまよえる遺骨たち アイヌ墓地〝発掘〟の現在」の資料集です。下記URLからダウンロードしてご活用ください。pdfファイル、10.13MBです。

http://hmjk.world.coocan.jp/index.html

Program
もくじ

【報告要旨】「私が北大に文書開示請求した理由」小川隆吉 p3
【講演要旨】「なぜ遺骨問題なのか——歴史的背景」植木哲也 p4

【資料編】
1 アイヌ墓地発掘年表(まとめ/北大文書研) p6
2 開示された資料のリスト(まとめ/北大文書研) p7
3 開示資料「アイヌ民族人体骨発掘台帳(写)」(抜粋) p10
4 開示資料「アイヌ民族人体骨発掘数」 p11
5 開示資料「アイヌ民族人体骨発掘数一覧」 p11
6 開示資料「アイヌ副葬品」 p12
7 開示資料「海馬沢博さんの書簡」(1981年、抜粋) p12
8 開示資料「野村義一・北海道ウタリ協会理事長の書簡」(1982年) p13
9 「児玉コレクション」(函館市北方民族資料館リーフレットから) p14
10 北大開示文書研究会とは p14
11 北大開示文書研究会「アイヌ頭骨と副葬品に関する質問書(要約版)」 p15


印刷版(A4判、16ページ)にも残部があります。1部1000円(送料込み)でお分けしています。ご希望の方は北大開示文書研究会事務局 ororon@jade.plala.or.jp までお問い合わせください。

2011年6月12日 (日)

「暴かれたお墓の真実」城野口ユリさん(少数民族懇談会副会長)ムービー

2011年6月10日、シンポジウム「さまよえる遺骨たち アイヌ墓地〝発掘〟の現在」(札幌エルプラザ、北大開示文書研究会主催)での、城野口ユリさん(少数民族懇談会副会長)の証言です。

------------------------------------------------
城野口ユリさん(少数民族懇談会副会長)
1933年、浦河町生まれ。北海道ウタリ協会浦河支部の会員・理事として活躍。“フシコウタル”という慰霊碑の建立や、伝統文化の継承のため、現役で後輩の指導伝達に尽力。1976年、「少数民族懇談会」創設に参加、副会長として強力な指導力を発揮している。40代前後から各種教育研究集会において、「アイヌ民族の歴史・文化」についての正しい教育を訴えている。(文・清水裕二)
------------------------------------------------

「私が北大に文書開示請求した理由」小川隆吉さん(アイヌ長老会議)ムービー

------------------------------------------------
小川隆吉さん(アイヌ長老会議議長)
北海道ウタリ協会石狩支部(後の北海道アイヌ協会札幌支部)の創設に参加、支部長などの役職を歴任。協会本部理事としての活躍や「札幌市ウタリ教育相談員」としてウタリ子弟の教育向上に尽力。「樺太アイヌ強制移住殉難者墓前祭」実行委員長として今日の基盤を構築。「アイヌ民族共有財産裁判」の原告団長として、最高裁まで闘った。(文・清水裕二)
------------------------------------------------

2011年6月11日 (土)

シンポジウム開催までの経緯 清水裕二・北大開示文書研究会共同代表

Img_0014
 皆様、こんばんは。「さまよえる遺骨たち」と題して、シンポジウムのご案内をいたしましたところ大勢のご参集くださいまして、まずは御礼申し上げます。私は、本日のシンポジウムを主催する「北大開示文書研究会」共同代表の清水裕二でございます。

 さて、本日のシンポジウムの開催に至りました経緯についてお話申し上げて、開会の挨拶に替えます。本日お集まりの皆様の大半はご承知のように、北海道大学にはかっては1000体を超えるアイヌ人骨が雑多な状態で保管されていた事は御存知の事と思います。アイヌ人骨は幕末の盗掘事件(1865年)に始まり戦後1965年までの間、概ね盗掘によりアイヌ人骨は収集されました。問題視されるこの「お骨」 は、北海道の開拓誠策や世界的な形質人類学や形態学などと相まって、政策的・意図的に、然も東大・北大など旧帝国大学の解剖学者などによって組織的かつ巧妙な手段で集められた「お骨」です。そして現在“さまよえる遺骨”となっております。

 しかし、真相は明らかにされず、1980年代に入り当事者自身においても問題視され、1981年12月21日付けにて、北海道ウタリ協会の海馬澤博さんが当時の北海道大学総長(学長)にあてた書簡により明らかになりました。そしてやっと当時のウタリ協会を中心となって北大との対話は重ねられ返還交渉が始まりました。しかし、真相は不明確なままであり、多くの当事者であるアイヌや心ある学者や市民の解決すべき課題であります。

 従って本日の集会は、2008年3月から9月にかけて小川隆吉さんが北海道大学に関係文書の開示を求めました。開示された文書について当研究会では、内容精査や研究を重ね北大に対しては質問書を提出しその回答を求めて参りました。が、回答はいただけませんでした。質問書の提出以来2年余り誠意ある回答書ももらえない現実に、最早市民の皆様に実態を明確にするべき時と当研究会として判断し本集会を企画いたしました。基より日本政府や北海道の責任は大きく、真摯なる解決を求めるものですが「国民的な課題」である事を強く訴えたいと考えます。詳細はこの後お二人の報告や基調講演で明らかにするとして、経緯の一部を述べ、皆様より活発なご意見や今後の対応について、示唆をいただけるようお願いしつつ、開催にあたり一言ご挨拶申し上げます。よろしくお願い申し上げます。

------------------------------------------------
写真撮影 平田剛士 2011年6月10日、札幌エルプラザで。

「私が北大に文書開示請求した理由」小川隆吉(アイヌ長老会議)

Img_0029
 今から36年前、一人のアイヌ、故・海馬沢博氏が、北海道大学の学長に対して抗議文を送りました。かつて北海道大学医学部教授が「勝手にアイヌ民族の墓を掘り起こし、人骨(1500体)を持ち去った事実は許されぬ」との指摘でした。私たちウタリもこの事実に驚き、当時の北海道ウタリ協会の指導者だった貝沢正さん、野村義一さん、杉村京子さん、佐藤幸雄さん、私といった面々が、医学部を訪ねて実態を視察することになりました。案内されたのは建物3階の「動物実験室」という部屋です。窓にはすべてカーテンがかけられ、入り口の右手に棚がありました。棚にはエゾオオカミの頭骨が6個、エゾシマフクロウの頭骨が6個。その隣に、動物たちの標本とまるで同じように、人間の頭骨が壁一面に並んでいたのです。

 頭骨にはひとつずつナンバーが振られ、「AINU」とローマ字で説明がついていました。この光景を目にした途端、杉村京子フチは思わずその場にひざまずいて、「許してください、許してください、許してください」と3度声に出しました。3度目は泣き声になって、そのまま床に顔を伏してしまいました。顔を上げたフチの眼からは、大粒の涙があふれていました。フチは、そばにいた佐藤幸雄さんを振り返り「急いでロウソクとお線香とたばこを買ってきて」と頼みました。そして遺骨に向かって、手ぶらでこの場にきてしまったことを詫びました。

 このお骨が地上に降ろされるまでに、さらに3年の月日がかかりました。北大医学部がようやく納骨堂を建てることになったのです。ところがその場所というのが、医学部の駐車場の片隅でした。おまけに、工事現場を視察した私は再び大きなショックを受けました。建設業者が組んだ足場に、横長の看板が取り付けられていたのですが、そこには「医学部標本保存庫新営工事」と記されていたのです。

 アイヌの遺骨がなぜ「標本」なのか、なぜ「アイヌ民族納骨堂」と書かないのか。大学に説明を求めると、こんな答えが返ってきました̶̶「国立大学には政教分離が求められる。納骨堂建設という工事名では予算がつかないので、会計監査が終了するまで待って欲しい」と。なんと杓子定規な対応でしょう。規定をクリアするために、アイヌの人権は二の次でよい、そう言っているのと同じです。

 こうして遺骨は、実験室から納骨堂に移されたわけですが、そもそもどのように北大医学部に収集されたのか、経緯や責任の所在はその後も明らかにされないままでした。でも、それは許されないと私は思うのです。

 大学が自ら実態を解明しないつもりなら、こちらがやるしかありません。2008年、私が情報公開法を利用して大学に関連文書の全面開示を求めたのは、そんな理由からなのです。

(2011年6月10日、シンポジウム「さまよえる遺骨たち」資料集から)

写真撮影 平田剛士 2011年6月10日、札幌エルプラザで。

北海道大学への要請文

国立大学法人北海道大学総長  
佐伯 浩 様

要  請  文

1.北海道大学は、北大開示文書研究会が大学に回答を求めた要請文に、直ちに誠実な回答を文書で行うよう強く要請します。

2.北海道大学医学部の故児玉作左衛門教授をはじめとした研究者は、1934年より全道、樺太、千島のアイヌ墓地から人骨および副葬品を大々的に発掘しましたが、その歴史的経緯の真相および、副葬品の所在は今も不明のままです。北海道大学は、自らの責任において過去と現在のすべてを調査し、その結果をアイヌ民族に説明し、反省と謝罪とともに遺骨奉還と副葬品返還のための積極的な手立てをとって下さい。

3.大学所蔵のアイヌ遺骨の砂の洗浄と遺骨整理作業が行われようとしていると聞きましたが、そのような行為は遺骨収集の証拠を失わせ、返還の場合の根拠を隠滅することになりかねません。遺骨は可能な限り奉還および静謐な安置と追悼を中心に据えるべきで、研究材料としての扱いを進めるべきではありません。即刻、中止を求めます。


2011年6月10日

北大開示文書研究会 共同代表 清水裕二 殿平善彦
シンポジウムさまよえる遺骨たち〜アイヌ墓地“発掘”の現在〜 参加者一同

日本政府への要請文

Img_0089_2
 2011年6月10日に札幌で開催したシンポジウム「さまよえる遺骨たち」の会場で、主催の北大開示文書研究会と、約90人のシンポ参加者たちの総意として、日本政府と北海道大学に対して要請文を承認しました。(写真は、要請文を読み上げる殿平善彦・北大開示文書研究会共同代表)

------------------------------------------------

わたしたちはアイヌ人骨及び副葬品の発掘と「研究」、および、その後の遺骨と副葬品の取り扱いに関する歴史と現状についての真相を明らかにし、問題の解決を実現するために、日本政府と北海道大学に対し、以下のことを強く要望するものです。

------------------------------------------------

衆 議 院 議 長 様   
参 議 院 議 長 様
内閣総理大臣  様
最高裁判所長官 様
   
要  請  文
 
かつて明治期より戦後に至る間、北海道大学医学部の故児玉作左衛門教授など、人類学関係者をはじめとした研究者が国策を背景にした学問の権威を主張して北海道内外のアイヌ民族の墓地から多数の人骨をはじめ副葬品を発掘しました。アイヌ人骨に関心を持つ研究者はアイヌ民族を「滅びゆく民族」と位置づけ、その研究が急務であると、アイヌ民族との間に誠実な諒解もないままアイヌ墓地の発掘を続け、1000体を越える遺骨を大学に集め、同時に発掘されたたくさんの副葬品も大学に集められました。しかし、発掘された人骨の歴史的経緯やその後の副葬品の扱いは今日に至るも真相は明らかにされておらず、多くの疑問が残された状態のままです。
小川隆吉エカシは、真相の解明を願って、北海道大学にアイヌ人骨に関わる文書の開示を求め、大学は一定の文書を公開しました。公開された文書を検討してきた北大開示文書研究会は北海道大学に対して発掘された人骨の扱いや副葬品の経過などについて回答期限を付して質問しました。しかし、今日まで、北海道大学から一切の回答を受け取っていません。

この問題は北海道大学のみのものではありません。明治政府の北海道開拓と植民地政策に伴うアイヌ民族へのレイシズムがもたらしたものであり、北大以外の旧帝国大学などにも人骨が収蔵されてきました。アイヌ民族を犠牲とした非人道的な発掘の記憶は、今日も深い傷となって残されたままであり、アイヌ墓地発掘問題に対する誠実な対応と解決への努力は、今日に残された、まさに『国民的な課題』であります。日本政府は政府の責任においてアイヌ人骨問題の歴史的経緯を検証し、その歴史的責任を自覚し解決に努力すべきであります。「共生空間」の整備に伴うアイヌ民族の遺骨を納める慰霊施設を設ける計画に於いても、遺骨を一か所に集めるなどの安易な解決を図ることがあってはなりません。アイヌ民族への遺骨奉還を前提として、すべてのアイヌ民族との誠実かつ慎重な対話を開始すべきです。世界の先住民族への遺骨の返還は国際的にも求められ、実施される動向の中にあります。日本政府の真摯な対応を強く要請します。

2011年6月10日

北大開示文書研究会 共同代表 清水裕二 殿平善彦
シンポジウムさまよえる遺骨たち〜アイヌ墓地“発掘”の現在〜 参加者一同

------------------------------------------------
写真撮影 平田剛士 2011年6月10日、札幌エルプラザで。

たくさんのご参加をいただき、たいへんありがとうございました

2011年6月10日開催のシンポジウム「さまよえる遺骨たち〜アイヌ墓地“発掘”の現在〜」は、終了しました。ご参加くださったおよそ90名のみなさま、たいへんありがとうございました。椅子の数が足りず、立ち見のままご参加くださった方々もおられました。引き続きこの課題にご関心をお寄せいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。(北大開示文書研究会一同)

Img_0078

写真撮影 平田剛士 2011年6月10日、札幌エルプラザで。

2011年6月 9日 (木)

いよいよ明日開催。シンポ「さまよえる遺骨たち」

パネルディスカッションに、弟子屈町から豊岡征則さん(北海道アイヌ協会副理事長)の参加が決定しました。

会場では約70席をご用意していますが、混雑が予想されますので、ご参加の方は、どうぞお早めに会場にお越しください。開場時間は午後6時を予定しています。

【日 時】 2011年6月10日(金) 18:30〜21:00
【会 場】 札幌エルプラザ中研修室
      札幌市北区北8条西3丁目 Tel:011-728-1222(代表)
【参加料】 無料(シンポ資料を500円でお分けします)
【主 催】  北大開示文書研究会(共同代表:清水裕二、殿平善彦)
      〒077-0032
      留萌市宮園町3-39-8 三浦忠雄方(事務局長)
      TEL(FAX)0164-43-0128 E-mail ororon@jade.plala.or.jp
      http://hokudai-monjyo.cocolog-nifty.com/blog/
【後 援】 少数民族懇談会、
      強制連行・強制労働犠牲者を考える北海道フォーラム
      さっぽろ自由学校「遊」

« 2011年5月 | トップページ | 2011年7月 »